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自衛隊のパワハラ責任を認めた判決

  • 執筆者の写真: 笹本潤
    笹本潤
  • 2024年3月14日
  • 読了時間: 2分

 私(笹本)が担当した事件です。

 右足の手術により歩行が困難になった身体障害をもつ自衛隊員に対して、自衛隊は5階の居室まで階段で登らせるなど、11年間にわたるパワハラ、いじめを行ってきた。この元自衛隊員は国家賠償法と安全配慮義務違反による損害賠償訴訟を東京地方裁判所に訴えた。2024年3月14日、裁判所は国に150万円の賠償責任を命じた。


 自衛隊は、2018年にパワーハラスメント用の相談窓口を創設し、ハラスメントの懲戒処分の基準を厳格にするなどして、ハラスメントを防止しようとした。しかし、自衛隊内のハラスメントはなくならなかった。セクシャルハラスメントについては、2023年12月12日に、五ノ井隊員に対するハラスメントが強制わいせつ罪と認定され有罪判決が下った。本件の原告に対する嫌がらせも、2011年から2020年の間に行われ、その中には陰湿ないじめの体質も見えた。自衛隊内のハラスメント、嫌がらせは、自衛隊の組織としての人権軽視の姿勢に基づくものである。


 本件判決は、原告の上司である中隊長を、自衛隊の安全配慮義務の履行補助者と認定し、原告の身体障害に配慮せずに、居室の5階まで階段で登らせたり、私有車の保有を禁じたことを安全配慮義務違反と認定した。その他のパワハラやいじめに対しても損害賠償義務を認め、自衛隊の人権軽視の体質を批判した。

 


 

 
 
 

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